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Special Interview 01

お客様の立場になって、
すべてを考える顧客志向。

H.K.
営業本部 フィールドアプリケーションエンジニアリング部
CMPフィールドアプリケーションエンジニアリング課 エキスパート
顧客志向から生まれた、
CMP専門家部隊として。

以前は、某電機メーカーの半導体部門に在籍しており、CMP[Chemical Mechanical Polishing(化学的機械研磨)]のプロセス技術と、トランジスタのコアの部分を作る工程を統括する部署に所属していました。マネジメントやアドバイス業務が多くなり、現場から離されて不完全燃焼だったところ、アプリケーションチームが発足したタイミングで入社。当時は、研磨パッド・研磨スラリーを製造する会社でありながら、CMPプロセスの専門家がいない状態でしたので、顧客の満足度を高めるためにもCMP専門エンジニア部隊を結成ということでした。そのような経緯もあって、私たちの部署の過半数が、デバイスメーカーからの出身者で占められています。
発足後からは、お客様と弊社との技術的なトランスレーターとして、お客様からのリクエストを専門家として理解し、的確な提案ができる体制が次第に整えられてきたと思います。お客様と同じCMPの装置を使って、実際に半導体のウェーハを研磨する評価を行い、それをもとに妥当性のある提案を構築していく。そのような技術サービスを提供している、顧客志向から生まれた部署になります。

エンジニアの顧客担当制で、
妥当性のある提案を続ける。

ほぼ全顧客に対して、アプリケーションエンジニアがアサインされる顧客担当制を採っております。規模が大きな顧客には、二人体制でお客様の課題をサポートする、もしくは提案活動を担当。私は、おもに4社・7拠点を担当していて、不定期の技術相談を含めると非常に多く携わっていますね。
お客様は、提案の妥当性、すなわち的確な提案かどうかということを非常に気にされています。その理由としては、お客様がCMPを評価するうえで、半導体の部材は非常にコストと時間が掛かるんですね。総じてコスト意識が高くなるのは当然で、評価・検証に入るまえの吟味する段階で、とても慎重になることは容易に想定されます。こういった姿勢に応えるためには、妥当性のある提案をするということが大事になってきます。

顧客先の実際の研磨装置で、
効果を再現するために。

実際のウェーハの研磨試験は、すべてクリーンルームで測定まで行っています。お客様からリクエストをいただいてデータを取る場合もありますし、私たちが実際に扱っている製品をベンチマークするために評価する場合もありますね。あとは、プロセス技術の開発ということで、こういう加工をしたら良いのではないかということを自ら企画して、それを検証・立証して提案に盛り込んでいく、そういう評価をすることもあります。起案からはじまり、ランシートという実験のシークエンス表に落とし込んで、必要な部材のお見積りをして、実際に部材を発注するわけです。それらの準備ができた段階で、ようやくクリーンルームに持ち込んで、試験を行うんですね。それが、全体業務の30%くらい、あとの70%は外での仕事という形になります。
研磨する試験も、さまざまな条件で実施しています。たとえば、圧力や回転数、研磨スラリーの流量などですね。パッドの段差の減り具合を見るために、研磨を途中で止めて段差測定器で測るなど、挙動を確認する細かい見方をすることもあります。時間が許す限り評価を繰り返すこともあり、1日で研磨パッド4枚・20数ランほど行なったことも。研磨の実験をすることが目的ではなく、どういう実験をすれば立証できるのか、お客様がご納得できる完成度の高いデータを取ることができているのか、考えることがメインの仕事になります。そのうえで、顧客先の装置で実際に評価していただいて、効果を再現するというのが一番重要です。

データで喧嘩をして、
非常に大きな売り上げ増へ。

お客様との一番ユニークなエピソードとしては 某メモリメーカーのエンジニアの方とのエンゲージメントを思い出します。開口一番、「ニッタ・デュポンとデータで喧嘩がしたい」ということを言われまして。それから半年くらい掛けて、データの取得・報告を2週間に1回くらいのショートタームで繰り返しました。具体的には1週間試験を行い、すぐデータまとめて、すぐ報告に伺って、次に試すことを決めるというシークエンスをずっと繰り返していましたね。まさに、データで喧嘩をしたというか、データの投げつけ合いというか、そういうことがあったんです。そして、翌年に大きなプロジェクトが発足したとき、そのデータがとても有効に働きまして、結果的に非常に大きなシェア維持と売り上げ純増に繋がりました。

さらなる信頼関係を構築して、
顧客志向を極めたい。

ニッタ・デュポンの顧客志向とは、お客様の立場で考えて、メリット・利益を最大化するための活動を推進していくことだと思っています。部署としては、妥当性の担保・提案が再現すること、すなわちお客様にがっかりさせないこと・喜んでもらうことですね。それから、お客様が使っている言葉・単位を使うようにしています。お客様によって文化が違うというのを目の当たりにすると、逆に単位の違うデータを見せられたらどう思うかなということを考えたりしまして。提案資料も単位を合わせておくほうが、お客様としては満足度が高いだろうなと容易に想像できましたので。
そして、これからも良い提案を心掛けていきたいですね。そのためには、生きた情報が非常に大事になってきます。生きた情報というのは、お客様からの情報提供になりますが、情報の開示はリスクを伴いますので、とても難しい問題です。お客様のリスクに勝るメリットを感じていただくための、信頼関係の構築が必要不可欠になってきますね。それは、単に顔見知りになるとか、仲良しになるとか、そういうものではなく、技術的な相談パートナーとして認めていただくことが必要です。私が提出するデータが提案資料になる訳ですけど、私たちのスタンスを写す鏡みたいなものです。しっかりと見ていただき、信頼性の高い提案を積み重ねて、お客様のほうから自発的に情報をご開示いただけるような信頼関係を構築して、さらなる顧客志向を今後も続けていきたいですね。

H.K.
営業本部 フィールドアプリケーションエンジニアリング部 CMPフィールドアプリケーションエンジニアリング課 エキスパート
これからの
ニッタ・デュポンへ
The Future of NITTA DuPont

研磨パッドにおいて世界トップシェアでも、世界トップ技術かと言われると、まだ道半ばだと思います。これから改善する余地は、まだまだ沢山ある。もっとこうしたほうが良いという点が、まだ残っていることを認識していることが、ひとつの財産なのかなと考えますね。すべて完成してしまうと、それ以上は成長できなくなると思いますので、ニッタ・デュポンはまだまだこれからです。
そのうえでも、社内における“People Management”の重要性が高まりますし、親会社のコアバリュー“Respect for People”の考え方が、シンプルですけども大事になると思いますね。これから、さらに会社が成長するにあたって、円滑な組織運営を助けるのではないかと。社員同士の面識があってもなくても、リスペクトをし合う前提のもと活動していけば、自己肯定感もモチベーションも上がって、組織としての活気が上がっていく気がします。